「知的障害」と「アート」

 今日は先ほど5行日記に書きましたように、千葉県市川市にある鐵の家ギャラリー明治倶楽部と神奈川県平塚市にある授産施設工房絵(こうぼうかい)が共同で開催している「kouboukai展」に伺ってきました。

 家に帰ってから、「鐵の家ギャラリー」でぐぐったら、かなり有名な方がデザインしていて、めずらしい(?)スチール製の建物らしく、びっくりしました。不勉強ですね。反省です。

 そして、そもそもなぜこの鐵の家ギャラリーを知ったかというと昨年12月に新聞に載ったのですが、その記事を見て、ご連絡していただいていたのです。出会いってホントにどこにあるかわかりませんね。

 そして、ギャラリーに入って「素晴らしいっ!」と思ったのは、写真の箸置き。ふつうの居酒屋とかでも箸置きって置いてあるんだけど、こういう形が違う、それぞれ違う形の箸置きって素晴らしいと思う。ありきたりな箸置きではなくて、こういう素敵な箸置きがちょこっと置いてある。これというのは、ホントにシンプルなんだけど、さりげなくおしゃれ。もし、この箸置きがある居酒屋があったら、絶対行くのになーと思う。

 そして、このお皿も知的障害のある人が作ったお皿です。このお皿のもちろん、一つ一つ形が違う。素敵な色合いと形が絶妙にマッチ!!そして、このお皿に新鮮な野菜のサラダがのっていたら本当においしいだろうなぁと実感。またまた、こういうふつうのお皿じゃなくて、さりげないこんなおしゃれなお皿が使われていたらぼくはいちころです。(笑)ということで、この箸置き×2、お皿はお買い上げ。

 そして、また目をひいたのが、この人形たち。用途はおそらく指定されていない。聞いたら、「輪ゴム置き??」見たいな話だったけど、ぼくは指輪と腕時計を置いておくのにすごくいいなぁと思ったので、買って指輪と腕時計を置いています。

 この障害のある人のアートで素敵だなと思ったことは、用途が指定されていないものがあること。それは、利用者側のイマジネーションが問われるものであるし、生活の上での想像力を掻きたてるものである。しかし、その想像力を働かせるためには、自分に時間的、精神的な余裕がなくてはならない。だから、障害者アートは、時間的、精神的な余裕をもたらすと言う意味で、人々の心に響くのではないか、と強く感じた。

 そして、ぼくは絵のことはよくわからないけど、この「知的障害」と「アート」という組合せは、すごく魅力的に思えた。というのは、表現の方法としてのアートはすごく的確かつストレートだと思うんです。つまり、知的障害というと、コミュニケーションだったり意思の伝達が不自由だったりします。これは左脳情報といわれる部分ですね。しかし、右脳がつかさどるイメージと言うのは知的障害があろうとなかろうと関係ないわけです。そして、そのイメージを伝えるものがアートであるわけです。

 「知的障害=できない」という偏見がまだまだあると思います。その偏見をなくしていくためにも、そのアートと言う切り口はそういう理由で非常におもしろいんじゃないかと思います。また、人々の安らぎという意味でも、障害者アートの持つ意味はあるんじゃないかと感じています。

アウトサイダー・アート
服部 正
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 そして、今日教えてもらった本ですが、「アウトサイダー・アート」という言葉があるそうです。この「アウトサイダー・アート」とは、「正規の美術教育を受けていない独学独習の作り手たちによる作品を指す」とのこと。

 この本の中の一節が非常に興味深くて、要約すると、

知的障害のある人が作ったいびつな形のコーヒーカップは、コーヒーを飲むときにコーヒーカップに集中しないと、コーヒーをこぼしてしまう可能性がある。それというのは、そのコーヒーカップに集中するわけであり、その作品と本当に向き合うことではないだろうか。そういう風に本気で向き合っていると、些細なことでイライラしなくなった。心に余裕ができた。本来、芸術を楽しむとはそういうことではないだろうか。

という一説です。本当の意味での癒しや安らぎ。それを障害のある人のアートは持っているのかもしれない。

 「知的障害=できない」ではなく、よい認知をさせる。そのひとつのきっかけとしてアートは使ってけるだろうし、もう少し可能性を探りたいと思います。


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投稿者: やべっち : 2005年01月29日 23:54 |

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トラックバック時刻: 2005年02月11日 14:34

コメント

左脳と右脳の話、面白いと思いました。
というのも、リハビリテーションではさ、身体に障害があっても
残存能力を鍛えて、できないことを補おうという考え方があるじゃないですか。

これを応用すると、知的障害のある方は、右脳をもっと積極的に鍛えれば
障害を補ってもっときらきらする可能性があるということだよね。
知的障害のある人がアートをする意味は、
アートくらいしかできないからする、ということではなく
得意分野をもっと伸ばせば、すごいモノができうる、ということなんだね。

ということを改めて感じました。

PS ブログ作りました。
キーワードは、一緒×働く=ENJOYです。よろしく。

投稿者:エハラ ケン : 2005年01月31日 04:16

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矢辺卓哉(やべっち)

田舎で農業・電気通信工事士、東京で障害者雇用支援という田舎・東京を行き来する生活をしながら、エネルギーの地産地消、環境負荷の低い・企業だけに頼らない生き方を模索中。株式会社よりよく生きるプロジェクト代表取締役

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