入社1ヶ月で感じた障害者雇用の現状

 かれこれ入社して1ヵ月経った訳ですが、入社して、テレアポ、訪問を繰り返してきて、20社近くはこの1ヶ月で訪問してきました。その感覚から、入社1ヶ月で感じた現状の障害者雇用のについて、データはなくてたった20社程度ですが、感じたまま書かせてもらおうと思います。

 まず感じたことは企業が障害者雇用に対して本気になってきていると言うことです。まだまだ意識の低い企業は多いが大企業であればあるほど、意識して雇用していることが伺えました。それは、CSRやコンプライアンスの流れもあるがやはり一番強烈だったのが、2000年時点の雇用率未達成企業の企業名の開示でしょう。ここで企業が障害者雇用に本気になったと思うのです。うちの会社が10人そこらのベンチャーでも1000人以上の大企業と呼ばれる会社と取引ができるのはそのためだと思います。

 そして、その企業が雇用する障害とはどんな障害でしょうか。一番多く聞かれる声はやはり「健常者」と変わらない人。伺った企業の人事担当者からの話では、各事業部長が「障害者」と聞くだけで、「働けない」と先入観で思ってしまい、会おうとすることすら拒否してしまうことも多いらしい。だから、人事の方は「まず障害のある人に会って下さい。」というお話をするらしい。

 だから、障害のある人を雇用したことない会社は、まずいわゆる健常者に近い障害をお持ちの方(いわゆる上肢、下肢の障害や人工透析などの内部障害)を雇用して、「障害者と言っても働ける」と言うことを認識してもらってから、視覚、聴覚や重度の障害のある方を雇用するという企業が大半のようです。

 企業や採用担当にとってみればそれは当たり前の話で、いきなり重度の障害の方を雇用して、働けず、障害のある方のもともと悪いイメージをもっと悪くして、各事業部で障害のある人の雇用ができなければ本末転倒です。企業の人事部も全く努力をしていないわけではない。今の会社の状況でどうやったら障害のある人の雇用が進められるか一生懸命考えていらっしゃる。だから、うちの会社も成り立つわけで。

 ただ、やはり、ぼくからすると、いわゆる上肢下肢の障害の方は障害があってないようなもので、充分働ける方が多い。これが障害!?という人もよくいる。そういう意味で言うと企業は少し遅れていると言わざるを得ない。しかし、障害者雇用は確実に進んでいる。

 いわゆる健常者に近い障害をお持ちの方を雇用する会社は次のフェーズに行く。そのような会社は、聴覚、視覚の障害をお持ちの方、車椅子の雇用に出る。例えば、電話オペレーターがいる会社であれば、電話オペレーターの契約社員を少し減らしてそこに障害のある方を雇用する。いわゆる障害のある人のための職域開拓です。この職域開拓をしている企業は、障害者雇用に本気と思ってもいいんじゃないかと感じています。

 重度の障害をお持ちで言語障害もあるような方はうちの会社からは紹介しているが、やはり給料は低い。それは会社と言うのは「どれくらい仕事がこなせるか」が重要であるからで、企業で働くと言うことにおいてはそれは致し方ないことだと思っている。ただ、どのようなお仕事をしてるかはまだ理解していないので、5月の課題としておきたいです。

 さて、じゃあぼくが関心を持っている知的障害はどうか。4月に20社程度周りましたが、知的障害の話が出たのはおそらく2社くらい。つまり、現状の企業の障害者雇用の採用順番は、

上肢下肢などの障害の軽い人>視覚、聴覚、車椅子、重度障害>>>>>>>知的障害>>>>>>>>>精神障害

くらいだと思ってもらってもいいかもしれない。大多数の企業は、現状「上肢下肢などの障害の軽い人」の採用を進めていると考えてもいいかと思う。知的障害の話が出てこないのは最もである。

 しかも、やはり現状話を聞いた限りの企業の知的障害のある人の仕事と言えば、郵便物の仕分けやコピー、清掃業務で仕事の流れを理解させて、自分が今何をやっているのか理解させ、仕事の楽しみを感じてもらう職場なんてなかなかないと感じた。

 ぼくは「知的障害のある方がいきいきと働き、何ができるかということにスポットが当たり、それを伸ばしていくこと。」なんて言っているが、その考えは企業の現状からすると、正直自慢でも何でもなく10年くらい先にいっていると感じる。ちなみに、精神障害のある方の雇用が知的障害よりもはるか先なのは、精神障害が雇用率に算定されていないからである。今年の10月から(だっけ?)雇用率に算定されるようなので、そこで精神障害のある方の情勢が少し変わってくるとは思う。ただ、やはり知的障害よりも遅れているのは否めない。

 以上がこの1ヵ月で感じたことです。やはり、知的障害のある人の雇用はまだまだです。うちの会社の社長が「身体障害を受け入れられない社会が知的障害を受け入れられるわけがない」と言ったわけがわかり始めました。

 ただ、企業も努力し障害のある人を受け入れようという考えは進んできています。感心するくらい企業努力を重ね、雇用率を達成している会社もいらっしゃいます。重度障害をお持ちの方はダブルカウントになりますが、それをダブルカウントにせず、1ポイントとして、1.8%の雇用率を満たそうとしている会社もありました。

 現状の企業の採用状況は正直言ってまだ遅れています。それは否めません。しかし、障害者雇用の実情は明らかに変わりつつあります。営業のデータベースを見てみても、6ヵ月前に障害者採用を行っていなかった企業が障害者雇用を始めた会社もあります。

 きっと障害者雇用は進みます。そして、知的障害のある人の雇用も今後進むと思います。そのとき、きちんとぼくが知的障害のある人の雇用を進め、いきいきと働く場所を作れるよう今からきちんと準備しておきたいと思います。そのために「障害者雇用といったらゼネラルパートナーズ」というブランド作りはしなくてはいけませんし、ぼく個人としても知的障害のある人の理解を進め、立派なビジネスマンとして仕事ができなくてはならないと思っています。

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矢辺卓哉(やべっち)

田舎で農業・電気通信工事士、東京で障害者雇用支援という田舎・東京を行き来する生活をしながら、エネルギーの地産地消、環境負荷の低い・企業だけに頼らない生き方を模索中。株式会社よりよく生きるプロジェクト代表取締役

「人生を味わいつくせる人を増やす」がミッション。

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