ハンディキャップ論

 
ハンディキャップ論
ハンディキャップ論
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佐藤 幹夫
洋泉社 (2003/09)
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2 ハンデイキャップ『論』?
5 障害とは、ハンディキャップとは
5 机上の空論ではありません

 読めと一言いいたい。

 久々に「障害」関係で良書に出会いました。この問題が複雑かつ誤解を招きやすいからか最初は定義づけや引用が多く読みにくかったのですが、後半の著者が教育の現場から培ったノウハウや提言は非常に共感できました。

 「彼らを人間とは見なさない」という理念と、「彼らこそすばらしいのだ」という理念の中間が、わたしなりに進まなくてはならない細い道なのだ。知的障害、自閉症、身体障害など、「健常」と呼ばれる存在とまったく切り離された「別の種類の人間」がいるのではなく、わたしたちが持つ何らかの相対的な遅れやつまずきにすぎない。

 今まで考えられてきた障害のある人の考え方には2つあったと思います。1つは、古代から考えられてきた「障害」を持った人は、生産性がなく、存在価値がないという考え方。2つ目は、24時間テレビのようなお涙ちょうだい的なもので、「障害をもった彼らこそ素晴らしい」、「障害は個性」という考え方です。

 今まではこの2つの考え方しかなかったのです。しかし、これからの私たちは、著者のように今までの考え方の中間を歩まなくてはいけないのです。つまり、彼らを賞賛するのではなく、人間とみなさないのでもない。それは、ただ人として扱う。それしかないのです。

 しかし、触れたことない人はそれができないのです。「障害者は別の種類の人間だ」という考えが残念ながら頭の中から抜けないのです。だから、ぼくは仕事を通じて、「障害者だから素晴らしい」「障害者なのにすばらしい」という視点ではなく、障害を持っていても働けることやわたしたちが持つ何らかの相対的な遅れやつまずきにすぎないということを気づいてほしいのです。

 そして、この本の提言としてノウハウをためることをいっていました。本の中ではメジャーリーグにいたアボットという投手を例に出し、障害を持った人が今の社会でどんな工夫をしているのか、目に見えるかたちにすることが大切と説いています。

 工夫がたまることにより、今の世代の人たちが努力して得たものを後世に残せるのです。その後、生まれた人たちは先人が残した工夫をもとにさらに自己を高めていきます。障害という分野に関して言えば、このような工夫が共有されていないように思う。工夫がより目の前に現れ、このような情報や工夫が蓄積されれば、心理的に支援しやすくなります。心理的に楽になれば、支援の機会が増えることにもなる。その結果、接する機会が増えて、慣れていく。慣れれば、障害者、健常者の垣根もなくなるはずです。だから、ノウハウをもっとためていく必要があるのです。それも目に見えるかたちで。それを意識してぼくも活動しようと思いました。

 その他、ぼくがこの場合だったら、こう行動するということや考え方、障害のある兄弟への接し方なども同じで非常に共感できました。ということで、読めというわけです。障害者について考えたい人、障害者など存在価値がないと思っている人、障害者って何!?って思っている人、少しでも興味がある人は詠むことをオススメします。


 投稿者: やべっち : 2005年05月29日 20:26 |


コメント

お久しぶりです。
小石川の広瀬です。いつもブログ読ませてもらっています。

上の日記、大変共感しました。

以前、高校の時に通っていた塾の先生が言った言葉を思い出しました。
「俺はメガネをしているが、俺のことを障害者だと思うか?
 思わないだろう。
 じゃあ、なぜ障害者と呼ばれる人たちに対してもそう思えないんだ?
 俺も障害者だぞ。」

そういう意味では僕も障害者です。
間違いなく、うつ病だし、メガネしてるし(笑)

でも、実際にやるのって難しいですよね。
自然にそう思えるようになりたいですね。

投稿者:sin: 2005年05月29日 23:49

『そうだそうだ』と思いました。
特に
>2つ目は、24時間テレビのようなお涙ちょうだい的なもので、「障害をもった彼らこそ素晴らしい」、「障害は個性」という考え方
と言うのが、非常に納得でした。
自分は「障害は個性」と言う考え方に??だし、
24時間テレビはいつも見れたものではなかったし、
これらの違和感は何だろうと思ってましたが、
その答えを何となく教えてもらった気分になりました。
ぜひ、一度読んでみたい本ですね。

投稿者:ryo@gulls : 2005年05月30日 23:08

ご意見、同感です。
私はどちらかというとそういう考え方をずっと持って生きてきたし、できるだけ、そのように行動しているつもりです。
私は今、うつ病ですが、それだって立派な←すごく変な言い方ですが、障害になってしまうんです。(「うつ病です」と言うだけで変な目で見られる体験も多々)
病気のこともあり、精神病の本などもよく読みます。その中では、どんなちっぽけな癖や恐怖症も病気として取り上げられています。
人間として生きている限り、私たちは何らかの障害を持って生きているのだと思うようになりました。

でも、この言葉はちょっと痛かったです。
>24時間テレビのようなお涙ちょうだい的なもので、「障害をもった彼らこそ素晴らしい」、「障害は個性」という考え方です<
>「障害者は別の種類の人間だ」という考えが残念ながら頭の中から抜けないのです<
大学に入るまで、障害を持っている人と関わったことがなく、たまたま大学の図書館で対面朗読のボランティアがあって、そこで視覚障害のある方とお友達になりましたが、それまで障害を持っているのに大学に来ているのだから、真面目な方だろう、と勝手に思っていました。しかし、その方は非常にぼんやりした方で遅刻はするし、授業中も寝ていたり、あわや卒業論文も締め切りぎりぎりまでやっていました。
「ああ、普通の人と何が変わるのだろう」と体感せずにはいられませんでした。

長々とすみません。
本、読んでみます(*^-^*)

投稿者:千尋(*^-^*) : 2005年06月01日 23:16

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矢辺卓哉(やべっち)

田舎で電気・通信工事士、たまに東京で障害者雇用支援という田舎・東京を行き来しながら、エネルギーの地産地消・企業だけに頼らない自然と調和した生き方を模索中。

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