重度知的障害のある人をメインで採用するエフピコ社へ視察に行ってきました!

エフピコ社外観

 大変遅くなりましたが、11月5日に重度知的障害のある人をメインで採用しているエフピコ社の関東リサイクル工場へ視察に行って参りましたのでご報告いたします。ちなみに、今回はシェアードバリューコーポレーション社の顧問先の視察に同行させていただきました。小林さん、ありがとうございました。

 なお、エフピコ社の具体的な業務内容や取り組みはこちらをご覧下さい。そして、障害者雇用については、このような前情報です。

 エフピコ社は、重度の知的障害のある人をメインで採用することで有名で、雇用率は約9 %(2010年10月末現在)で、定着率は99%。

エフピコ社での働く風景

 重度の障害者でも立派に働くことが出来ることをこの会社は証明するために、あえて重度の方を採用している。親ですら就労をあきらめている障害者を平気で雇用。障害者自身が、働きたいと思っていれば、他に採用の条件はない。職場に来たばかりの頃は、工場内を徘徊したり、お漏らしをしたりする子もいるが、お構いなし。そんな子たちでも6か月もすれば、普通に働くことが出来るようになるという。実際にそうなっているのです。彼らは全員、正社員。平均給与も月給14、5万円前後となんら健常者と変わらない水準となっている。

 エフピコ社は障害のある人の高い雇用率及び定着率は何が原因となっているのでしょうか。そんな点をメインに今回はお伝えしていこうと思います。※なお、走り書きでメモしたため細かい数字は違っている場合がありますが、そこはご容赦いただければ幸いです。

エフピコが取り扱うトレー

 まずは障害者雇用の話をする前に、理由は後で説明しますが、エフピコのリサイクル事業について説明をします。エフピコが事業としている、トレー(右写真)は1日5000万枚日本人は使うそうです。人数に換算すると、1人につき0.5枚を1日に使っているそう。実はこのプラスチックトレーは、リサイクル率が17%と、ペットボトルのリサイクル率が80%であることを考えると断然の低さなのです。

回収ボックスの写真

 エフピコ社は、社会に存在するべく企業として、この問題に積極的に取り組んでいます。リサイクル工場を全国に6か所設立。全国のスーパーに写真のようなトレーの回収ボックスを7000か所(関東は1860か所)設置。

 その中でも、エフピコ社はその生産量の5分の2、つまり40%はエフピコ製品なのです。そして、そのエフピコ社の製品のうち半分はエコトレーとのことで、日本のエコトレーの5分の1、つまり20%がエフピコ社のトレーだそうです。それくらいこのエフピコ社は業界に先駆けてトレーのリサイクルに積極的に取り組んでいます。

 冒頭にお伝えしましたが、なぜこのリサイクルのことを先にお伝えしたのか。それは、このエフピコ社が積極的に取り組むリサイクル事業になくてはならないのが、知的障害のある人たちなのです。

 まずはこの動画をご覧下さい。



 少し解説をすると、紺色の帽子の方が知的障害のある人です。そして、トレーのリサイクルのための仕分け作業を休憩をはさみながら、8時間続けるのです。彼らは耳栓をしていますが、耳栓をしていなかった私は30分程度いましたが、非常に頭が痛くなりました。

回収されたトレー

 また、この回収したトレーの仕分けにはトレーだけではなく、包丁や財布など10枚に1枚はトレーではないものが入っているそうです。それくらいの場所とものを相手にして、彼らは黙々と働くのです。例子会社社長の且田氏はこう言います。

知的障害のある人は集中力が高く、機械や健常者のパートより彼らの方が確実に1.5倍は生産性が高い

 この話を聞いて、私がすごいと思うのは、この作業を知的障害のある人が行っていることではなく、冒頭に説明したように戦略になっていることがすごいことだと思うのです。エフピコ社のリサイクル事業を知的障害のある人が支えているのです。

リサイクルできない不適品

 実際に彼らがいなければエフピコ社のリサイクル事業は成り立たないと且田氏は仰っていました。障害のある人が会社の1つの事業を背負っているのです。これ以上のやりがいはないのではないでしょうか。

 自分たちがなかなかできない仕事を知的障害のある人が黙々と行っていて、しかも会社として大切な事業として位置づけられている。周りの社員の見る目も変わるでしょう。実際にパートらしいおばちゃんに聞いてみました。「彼らの働きっぷりはどうですか?」

 そうすると彼女は何事もないようにこう言いました。

「ふつうだね」

 障害者だから特別なのではなく、周りの人たちにとってあくまでふつうの存在であることに私はいたく感激しました。これがきっと定着率が高い理由なのではないでしょうか。会社として必要だから採用している。その当たり前のことを今回は知らしめされました。

 そして、なぜ障害者の人がこんなにたくさん在籍するようになったのか。それは、現場で一緒に仕事を教え込んだ1人の女性がキーマン(ウーマン?)だと思いました。

 その女性は、最初知的障害のある方が入社した時の苦労を話してくれました。最初は、健常者、障害者の区別が明確にあった。食事も別。会話もしない。しかし、彼女は諦めず、ずっと言い続けたそうです。

「彼らは3か月で絶対に仕事ができるようになる」

 何の根拠もなかったそうです。でも、彼らは仕事が覚えられないのではなく、覚えるのに時間がかかるだけ。そんな信念を持って仕事に取り組んでいたそうです。ただ、あるとすれば、障害のある人が選別した結果を健常者が最終チェックし、今日の選別できた結果をフィードバックしていたそうです。それを繰り返していると、いつの間にか彼らは、3か月も経つと、仕事を覚え、能力を最大限に発揮し、みんなで食事をするようになり、会話をするようになったとのことです。

 このエピソードから私は反省しました。障害者ということで採用するから障害者の問題が解決しないのではないか。つまり、障害者としてみるのではなく、1人の人間としてみなくては障害のある人の就労や生活の問題は解決しないのではないか。障害者として障害者の就労を支援していても何の問題も解決されない。

 実際に且田氏はこう言います。

うちは障害者として採用していない。もともとは知的障害のある人が雇用率算定される前から採用している。なんら特別なことはない。ふつうのことです。

 この話を聞いて、もう私が取り組まなくてはいけないのは、「障害」という「できない」「できることはない」「働けない」の概念を変えることです。「障害者=弱者」として企業が採用する限り、障害のある人は確実に能力を発揮することはできない。障害者ではなく、1人の当たり前の人間として能力をどう発揮するのか?このことを考えなくては障害のある人の根本的理解がされないのではないか。

 そんなことを考えさせられた1日でした。また、それは私の次の1手を確信に変えるものでした。さぁやるぞ!

 ということで、まとめ。

■エフピコ社の雇用率、定着率が高い理由
1.障害者だと思って採用していない
2.事業戦略として採用
3.仕事の結果をフィードバックする

 そして、何よりも大切なことは、当事者や周りの支援者たちもが人間の可能性を殺してしまう「障害」という言葉の意味を変えなくてはいけない。今、本当に心からそう思います。

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都内のIT系会社で営業部として働いております。
お客様で、障害者の就職支援を考えている会社様がございます。
是非、色々とご相談させて頂ければと思います。
平日19時以降のスカイプでよろしければご連絡下さい。
それでは、ご連絡お待ちしております。

鈴木
komachi_pj@yahoo.co.jp

ご連絡ありがとうございます。
別途メールにてご連絡させていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

user-pic

こんばんは!
現場スタッフの細川です。
先日は、当工場に見学にお越し頂きありがとうございました。

私がいつも彼らに「今まで障害者と言われて優しくされたり、守られたりしてきたかもしれないけど、ここでは障害者じゃなくて?さんとして、社会人として一緒に働くんだからね」と言います。
健常者スタッフには「何にもかわいそうなことはありません。ダメなことはダメと、間違っていたらそれは違うと言って下さい」と伝えています。

これって、「ふつう」なんですよね!

おそるおそる接していた健常者スタッフたちは、3か月ほどすると言ってくれました。
「ふつうだね。私たちと同じだね。」
何かが変わった瞬間でした。

矢辺さんのブログを見ての感想でした。

あ!キーウーマン!?笑

こちらこそ、ありがとうございました。
本当に素晴らしいと思いました。

今後とも色々教えて下さい。
どうぞよろしくお願いします。

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矢辺卓哉(やべっち)

田舎で農業・電気通信工事士、東京で障害者雇用支援という田舎・東京を行き来する生活をしながら、エネルギーの地産地消、環境負荷の低い・企業だけに頼らない生き方を模索中。株式会社よりよく生きるプロジェクト代表取締役

「人生を味わいつくせる人を増やす」がミッション。

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