福祉労働の今後に必要なこと

 Twitterから下記のようなご質問をいただきました。

 福祉労働についてはいかがお考えでしょうか?

 企業に就労してる障害者より何倍もの障害者が作業所や授産施設と言った福祉労働に従事してます。授産施設の工賃は月数千円であり年金がないと自立できません。

 そして福祉労働は現在の法体系では正規の労働とみなされず労働法規も適用されません。メンバーは労働者ではなく利用者という扱いで「職業」にはなってません。

 「障害者は企業で採用されないため福祉労働にしか居場所がない」というのも産んでます。福祉労働も施設ごとに考え方があり

1.障害者の居場所と働き場所
2.微々たる工賃と主たる年金で初めて自立できる場所
3.企業就労に向けての訓練の場所

等々いろいろあります。

 一方で福祉労働から企業就労にもそう簡単に繋がっていませんし、障害者自立支援法でなけなしの微々たる工賃が「利用料」で相殺され「働くのに利用料取られるのはおかしい」という声もあちこちで上がってます。

 「企業に就労できない・居場所のない障害者は福祉労働で居場所と働く場所づくり」という構図に関し、福祉労働の意義とあり方・今後の方向性と法体系の整備について、ブログで取り上げていただきたく思います。よろしくお願いいたします。

 ということで、私の考えを書いてみます。

 そもそも作業所(今で言う就労継続支援B型)は、養護学校卒業後の行き場所を作るために、お母さんを中心に作られたのが始めです。そこに国や市から助成金が就くようになったのです。ですから、そもそもの設立の経緯を考えると、工賃をアップさせることや、そこから企業就職を作り出そうと考えることが土台無理な話なのです(ちなみに、就労継続支援A型も同じように考えています)。

 ましてや、親御さんが「障害者だから」と甘やかしているケースもあったり、障害者に携わりたいという人は、「優しく接することだけが良い」と思っている人が多かったり(社会は優しい人ばかりではないし、ストレスも多い)します。

 ですから、作業所を作る前(もちろん、作業所を作られた親御さんの努力を否定するつもりはありません)に、やることを2つ提案したいと思います。

 1つ目は、居場所を作るのではなく、障害があっても、地域で包括できる仕組みを作ることです。例えば、石川県の佛子園の取り組みはおもしろいです。

 ここでは、廃寺を「障害者福祉」の領域を超え、障害者だけではなく、老若男女すべてにとって優しい施設、地域住民が集える場として再生しました。障害のある人は、温泉の清掃をし、働いた分のポイントをもらい、そのポイントで買い物ができる(地域通貨のようなものです)そうです。

 この地域は、利用者が障害者年金をもらっているかどうかは定かではありませんが、このような事例を通じて、障害があろうとなかろうと、誰でも包括できる地域を作っていくことです。人間は大金をもらうことだけが幸せではありません。社会の中で、役割を持つことで必要とされるなどし、充実感を感じることが大切です。それを地域で作り出すのです。それは、地域社会が薄れつつある日本にとっても非常に大切なことだと思います。

 そして、2つ目は、よりビジネスの世界に通じている人をこの業界に参入させることです。前述のように、元々前提がお母さんが立ち上げてるので、この業界は、ビジネス感覚がある人が少ないのです。まぁ強欲すぎる人だとダメですが、ビジネスと福祉の両方がわかる、バランス感覚のある人が社会福祉法人を運営する、就職支援をする(私のこと)などすることが必要です。そのようなプレーヤーがあまりにも少なすぎます。

 そのためには、この業界を魅力的に捉えてもらう必要があります。そのやり方は、あまり考えてませんが、国がお金を投下することも1つの考えでしょう。また、我々自身が楽しそうに仕事することも重要(働く場所がないから福祉施設を選ぶ、特別支援学校は使えない教師の行き場という話も聞きますが)です。

 とにもかくにも、私はこの問題は、誰でも包括できる地域を作ること、ビジネスに通じている人がもっと参入することが必要だと考えています。

 そうすれば、単なる福祉就労に留まらず、社会に接点と役割を持ち、企業に就職できる人も増えるでしょう。

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障害者の雇用率半数以下の企業の名前を公表するなど厳しく指導し、行政の目が厳しくなるのは、障害者にとっては、うれしいが今までこの現場監督経験約20年間も障害者期間だったが、現場監督経に配属されるか不安です。私はこの世に生まれてきて、生き続けていくならば、それを自分なりに乗り越え、自分に出来る何かを思いっきりやってみようと決意しております。

コメントありがとうございました。

思いっきりがんばって下さいね!

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矢辺卓哉(やべっち)

田舎で農業・電気通信工事士、東京で障害者雇用支援という田舎・東京を行き来する生活をしながら、エネルギーの地産地消、環境負荷の低い・企業だけに頼らない生き方を模索中。株式会社よりよく生きるプロジェクト代表取締役

「人生を味わいつくせる人を増やす」がミッション。

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