参政党が大躍進した理由

先の参議院選挙で、参政党が14議席を獲得し大躍進した。

選挙後のニュースやYoutube動画を見ていて、参政党がなぜ大躍進できたのか?を考えていたが、的確な批評をしている人が見当たらなかった。

なので、参政党の一党員の立場で、今回の選挙に関わった人間として、参政党が大躍進した理由を書いてみたい。

結論を言うと、「公共主義」が多くの国民に共感・支持されたからだと考えている。

「公共主義」とは何か。わかりやすく説明するためには、まず「個人主義」について説明した方がわかりやすいと思う。

「個人主義」とは、個人の幸せ・自由を最大限に尊重する考え方で、男女共同参画における女性の社会進出、外国人との共生、多様性尊重、障害者、LGBTQや社会的マイノリティの方々の権利を擁護し、認めるような考え方です。一般的には左派と呼ばれる考え方で、この考え方は、戦前に全体主義の軍国主義に走った影響から戦後教育の賜物と言えます。

この考え方自体は悪くはないですが、現在は行き過ぎた「個人主義」が蔓延し、「自分が良ければそれでいい」「今だけ・金だけ・自分だけ」の人が増えてしまった。

こういう人たちは、お金を稼げて生活できればそれで良いとばかりに、地域社会には参加しないため、隣近所は誰が住んでいるかわからず、窃盗犯にはこの上ない環境を作ってきてしまった。

政治家も裏金と利権作り、当選活動に勤しみ、自分のことしか考えない政治家が増えた。

個人の幸せ・自由も行き過ぎると、異性との交際・結婚はコスパが悪いし、子どもを育てることは自分の時間がなくなる子育て罰になる。行き過ぎた「個人主義」が未婚化・晩婚化、少子化を招いた根本原因だと考えている。

この「個人主義」を説明した上で、「公共主義」について説明したい。

「公共主義」とは、「世のため人のため家族のため」に自分の時間を使う考え方で、行き過ぎた「個人主義」のカウンターパートとして、日本の中に改めて出てきた。これを参政党が意識的か無意識かは分からないが広めていると考えている。

例えば、男女共同参画による女性の社会進出で、働かない・納税しない女性は「悪」と言う雰囲気に現在の世の中はなっている。その雰囲気の中で、神谷代表は、街頭演説の中で、「働く女性だけではなく、専業主婦も選択肢に」と言うことを主張した。これこそまさに家族のために尽くすと言う「公共主義」の選択肢を改めて提示したわけです。そうしないと少子化は解決されないと。

このような「公共主義」を参政党は大事にしているため、選べると言う「個人主義」の延長線上にある選択的夫婦別性に反対なのです。

この「公共主義」には、前述の通り、女性の社会進出、外国人との共生、多様性尊重、障害者、LGBTQや社会的マイノリティの方々の当事者や権利を獲得してきた・擁護してきたと自負する人々からすると、自分がやってきたことを否定された気がするため、参政党をレイシストとして非難するのです。

しかし、参政党がいう「公共主義」は、「個人主義」の否定ではなく、「個人主義」の延長線上として、「個人主義」を包括するものとして、「公共主義」を掲げているのです。実際に神谷代表は、「専業主婦も選択肢に」と言う文脈の中で、働きたい女性は働けばいいと言っています。そこを否定はしていません。

この通り、参政党の「公共主義」は、「個人主義」の延長線上として、「個人主義」を包括するものとして、「公共主義」を掲げているのです。

この「世のため人のため家族のため」と言う「公共主義」は、一昔前の日本では当たり前にあった価値観でした。実際に、参政党のタウンミーティングで教えてもらった江戸時代の寺子屋で教えられていたと言う実語教には、以下の文章があります。

人肥えたるが故に貴からず。智有るを以て貴としとす。

意味は、人は太っている(お金持ち)から立派なのではない。人の役に立つから立派なのだと言う意味です。この価値観を江戸時代は寺子屋で教えていた。このような「世のため人のため」と言う価値観が戦前の日本にはありました。だから、日本人は強かった。

行き過ぎた「個人主義」から「世のため人のため家族のため」と言う「公共主義」に自分達を進化させようと言うメッセージが「日本人ファースト」と言うキャッチコピーと共に、多くの日本人の共感と支持を生んだのではないか。それが私の見立てです。

一方で、参政党の憲法草案を見ると、全体主義につながる、ナチズム、軍国主義につながると言う批判もある。「個人主義」の人から見たらそれはそうだろうと思う。

「個人主義」→「公共主義」→「全体主義」

このように左側の人から見たら、中央の「公共主義」の先には、右側の「全体主義が見える。一方で私にはこう見えている

「個人主義」←「公共主義」→「全体主義」

だから、参政党は、右にも左でもない「日本人ファースト」なのです。

ただし、とはいえ、「公共主義」の先に「全体主義」の傾向が出てこないか。党員の声を参政党は聞き続けることができるのか?その点はチェックし続けなければならない。それは参政党の一党員としての役目だと考えている。

閑話休題。

さて、今回の参院選の鳥取・島根合区は、圧倒的大差で自民党の候補者が当選した。野党全部の票を足しても、自民党の候補者に届かない数字だった。

これからの選挙で田舎の鳥取県、島根県の小選挙区で、自民党に勝つために参政党が何を訴えなければいけないか。

それは、鳥取県、島根県に住む親御さん世代の「子どもや孫たちと一緒に暮らしたい」という言いたいけど言えない、声なき声を拾い上げることだと思う。

個人の自由・幸せを前提に考える「個人主義」によって、東京や関西などの大都市に働きに出てしまった人たちはなかなか田舎に帰る理由がない。

だからこそ、改めて今回の参議院選挙で参政党が訴えた「世のため人のため家族のため」と言う「公共主義」の価値観を世の中に広めることで、地元に貢献したい、自分を育ててくれた親元で一緒に暮らしたいという人を増やしていくことが必要である。

そのためには、今までの個人の幸せを優先する教育方針の総括と新たに教育改革を訴える必要があると思う。参政党の参議院選挙2025の公約から抜粋。

偏差値重視の管理教育から“愛と勇気を育む”人格形成教育に変える。

参政党は、子どもたちが自らのルーツを学び、日本という国の歴史や文化に誇りを持てる教育を実現することが、社会を支える意識ある人材の育成につながると確信しています。

そのために、学校教育の中で神話や日本の建国の歴史、先人たちの生き様を学ぶ機会を増やし、単なる知識の習得ではなく、精神的な成長とアイデンティティの形成を重視します。また、郷土の偉人や伝統文化、地域社会とのつながりを学ぶことで、地元を愛する心=愛郷心を育み、それがやがて愛国心へとつながる教育環境を整えます。

さらに、家庭の大切さや家族のつながりを見つめ直し、家族愛や思いやりを学ぶ教育も導入します。家庭が社会の最小単位であるという意識を育てることが、健全な社会形成に不可欠であると考えます。このように、知識や技能の詰め込みではなく、「どのような人間になるか」を重視する教育に改革することで、子どもたちは自信を持って社会に羽ばたくことができるのです。

本当の地方創生は、地方に仕事を作ることでも、お金を落とすことでもない。教育を通じた「公共主義」の価値観を広めることでしか成し得ないのではないだろうか。

参政党の「公共主義」が広がるよう、引き続き、できることをやりたいと思う。

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