「不況」が教えてくれたこと その2【9/18加筆】

 先日、「不況」が教えてくれたことというエントリーを書きましたが、最近追加して特に感じることがあったので、「その2」ということで、記載していきたい。なお、前回のエントリーと多少かぶる部分があるが、ご了承いただきたい。

 ということで、本題へ。前回書いたことは、「理念を追求すること」の大切さを書いた。今回は、その「理念を追求すること」についてもう少し深堀りしていく。

 理念の大切さを説く前に、「理念はそもそも何のためにあるのか?」について、個人的な考えを書いておきたい。理念とは「世の中にこの会社が存在している」という、存在意義の証明、意思表明だと思っている。だから、「お客様を大切に」や「社会的問題を解決する」、「安全を追求する」という言葉が出てくる。つまり、理念とは、世の中に対する「会社はこんなことをします」という意思表明であると共に、必ず追求していかなくてはならないものではないだろうか。

 ということであれば、理念を追求していくに当たり、こんな質問を投げかけなければいけないと考えている。

 ・今現在、理念を追求するに当たり、世の中にはどんな問題があるか?
 ・理念を追求するに当たり、自社はどんなサービスを提供するのか?
 ・サービスを提供するに当たり、どんな組織が一番適しているのか?
 ・今のサービス・組織が理念を追求できているか?

 1つずつ説明していきたい。
 ・今現在、理念を追求するに当たり、世の中にはどんな問題があるか?

 これは、特にメーカーなどは当てはまらず、サービス業など、目に見える具体的商品を売らない会社に特に適する考え方で、社会的意義のあることを追求する会社が特に考えなくてはいけないことだと思っているが、どんな会社も必ず考えてほしいことだ。

 例えば、私が勤めている会社のゼネラルパートナーズの理念は、「社会的問題を解決する」という考え方だ。その1つとして、まず障害のある人の問題に取り組んでおり、「障害者のよき認知を広める」という考えから事業を行ってる。

 これは、「障害のある人のよき認知が広まっていない」ということが前提にあり、世の中のよき認知をどうやって広めるか?を考えなくてはいけない。しかし、まずどうやって広めるか?の前に、よき認知が広まっていない本質的な問題は何か?まずはしっかり把握し、共有することが大切だ。認識し、共有するからこそ、その会社の世の中に対しての存在価値が大きくする。つまり、何度も言うが、会社としての世の中に対しての存在意義の証明という考え方だ。

 ・理念を追求するに当たり、自社はどんなサービスを提供するのか?

 先ほどは、理念を追求するために、何が問題になっているのか?をしっかり把握し、共有することの大切さを記載しました。それでは、次。問題を把握し、共有したら、じゃあその問題を解決するために、自社はどんなサービスを提供することが理念の追求になるか?を考えるのです。ここポイント。売上げをあげるために、サービスを考えるのではないのです。

 少し前にも書いたように、理念とは会社の存在意義であり、意思表明です。だからこそ、理念を追求するために、サービスを提供するのです。多くの会社、というかほとんどの会社が、これを間違っている。

 もちろん、お金は大切。売上げがなければ、事業は成立、継続しない。しかし、事業は売上げをあげるためにおこなうのではない。売上げをあげる事が目的であれば、誰かをだましてお金を稼げばいい。

 でも、それを多くの会社はおこなわない。なぜか?事業とは誰かの役に立つためにおこなわれるからと知っているからです。でも、結果としてサービスが誰かの役に立つことになっていない。それはいつからか、民主主義という名の売上げ至上主義になってしまったからではないでしょうか。

 そもそも、パナソニックの松下幸之助、ソニーの井深大などの経営者は、世のため、人のため。誰かの役に立ちたい。その思いで、製品を作り、サービスを提供してきた。誰かの役に立つ。その存在意義、意思表明が理念なのです。その理念を追求しているからこそ、結果として、売上げが上がるのだ。

 余談になるが、今説明してきた、「理念→問題意識→サービス」という流れが、「理念→サービス→売上げ」という流れで、大体の組織が作られるので、世の中に貢献している実感が感じられず、うつ病などの組織問題を作り出しているのではないか?と、実証データはないが、個人的に思っています。

 ・サービスを提供するに当たり、どんな組織が一番適しているのか?

 先ほどまでは、理念から問題意識が作られ、そこからサービスが作られるべき、という話をしました。あとは、簡単で、サービスをどう提供するのか?という組織を作ればいい。

 ただし、気をつけなくてはいけないことは、自社都合の組織にならないことだ。自社がサービス提供しやすい組織形態にしてしまうと、結局どんなにいいサービスだったとしてもお客様にとって、使いにくいものであれば、感動を与えられず、市場に広がることはない。

 縦割り組織という言葉を聞いた事がある人も多いと思う。縦割り組織はすべて、この自社都合組織になっている場合が多い。どうやったらお客様が使いやすいか?ではなく、自社の都合で考えてしまうと縦割りになる。(もちろん、結果として、お客様のためになっていれば、考え方は自社都合から始まってもよい。)

 ・今のサービス・組織が理念を追求できているか?

 そして、理念からサービス、組織とできたら、ずっとこのままでいいか?というと、これで終わりではない。いったんはこの組織で理念を追求するため突き進むのだが、ずっと思考しなくてはいけないことがある。それがこの質問だ。

 このご時世、スピードがものすごい早い。昨日常識だったことが、今日常識ではなくなる場合もある。それと同様に、気づいた時には今のサービス・組織がお客様のためにならず、陳腐化している可能性もある。理念に対して、サービスがお客様のためになっているか?組織が自社都合になっていないか?常に確認していく必要がある。

 理念に対しちょっとでも一歩前へ、一歩先へ進む。常にビジネスマンたるもの、サービス提供しながら、自社のサービス、組織について本当にお客様の役に立てているのか?考え続けなくてはならないのだ。

 以上が、私が不景気から学んだことだ。もしかしたら、この考え方は、どこかの本に書いてあることかも知れない。しかし、私はこの考え方の大切さを肌で感じました。この理念から考えられる会社を作ってみたいと自分で思うようにもなりました。

 その意味でも、この視点から企業のHPから会社の理念や大切にしている価値観、問題意識を読み取るとその会社が何を目指しているのか?その会社の存在価値について、よくよく理解できるようになると思う。

追伸1:
 自分で書きながら、具体的な事例がないとわからないよなぁーと思いました。具体的な事例があれば、書いていきたいと思います。今日は時間がないので、以上とさせて下さい。

【9/18加筆】追伸2:
 ネットで見てたら、理念の大切さをわかりやすく記載をしていた記事を見つけました。こちらをご覧いただくと、理念の大切さをご理解いただけると思います。

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