twitterでは以前にお伝えしておりましたが、障害者職業総合センターが発表した精神障害のある方の雇用促進のための資料が手に入りましたので、そこから見えること、感じることを記載していきます。
精神障害者の雇用促進のための就業状況等に関する調査研究(一)
−ハローワークにおける精神障害者の職業紹介等に係る実態調査から−
※PDFファイルです
そう言えば、前職の人からこのブログの文章は長いので「ブログではなくエッセイか論文」と言われたので、事前に言っておきます。おそらく長いです笑
まず、そもそもですが、なぜ精神障害のある方の就業状況の調査なんでしょうか。悪いと言いたい訳ではなく、身体障害もあってもいいと思うんです。正直申し上げると、企業は精神障害の人よりも身体障害の人を採用したがります。
しかし、実際には就職してもすぐ辞めてしまう人もいます。だから、身体障害も就業後のデータがあるとすごく嬉しいのですが。。。
まぁそんな愚痴のような話はさておき。少しずつ私が気になった点を見ていきたいと思います。
■就職先の状況
就職した求人の種類は、障害者用ではない一般求人が51%、障害者用の求人が39%。また、一般求人へ就職した人の場合、障害を開示して就職した人は42%。
私も実は、精神障害のある方に関しては、企業があまり採用したがらないので、必要な配慮がストレスがたまらないための残業時間の配慮など、あまり企業の負担にならない程度であれば、「一般求人も応募してはどうか」と企業が採用したがらない理由と合わせて伝えていました。それだけ、企業側の理解がないのが実情なのですが、このデータでもまさにその通りとなっていました。
正直、手帳を開示し、しっかりと自分のことを理解してもらった上での入社が理想だと考えますが、やはりそうも行かない現実があります。
■定着状況
・就職後12ヶ月時点の定着率
1.障害者求人+開示 +(適応指導+チーム支援)有:70%
2.一般求人 +開示 +(適応指導+チーム支援)有:64%
3.障害者求人+開示 +(適応指導+チーム支援)無:51%
4.一般求人 +開示 +(適応指導+チーム支援)無:28%
5.一般求人 +非開示+(適応指導+チーム支援)無:23%
これは非常に面白い調査だと思います。結果は、まぁ当たり前ですが、支援が手厚い方が定着率は高いという訳です。しかし、私が注目したいのは、どの求人に応募しようが、開示しようがしまいが、支援があるかないかが大きなポイントであるという点でしょう。
結局、暴論にはなりますが、「障害者求人は配慮がある」と言われますが、障害者求人に応募するのかどうかではなく、支援があるかないかが精神障害の方が働く上では大切ということです。
そういう意味では、ちょっと上で、私は「配慮があまり必要ないのであれば、一般求人も応募してみては」という話はあながち間違いではない。ただ、支援の有無に関しては、何も言及してなかったので、それは反省をしなくてはいけません。
このようなデータは、障害のある人の働くことをリアルに教えてくれるので、どんどんハローワークなど国の機関はがんばって、調査してほしいですね。