【Part.3】障害者雇用の実態とその解決策について

営業をしていても、1年前に比べたら少なくなりましたが、「障害者=車椅子、まったく聞こえない人」と思う人事がすごく多い。
そして、人材に関しても、「スキルや障害に合わせて、ポジションを考えます。」とよくオーダーをいただきます。
「スキルや障害に合わせて、ポジションを考えます。」
一見、聞こえはいいです。「あなたのことを考えていますよ。」というメッセージにも聞こえます。でも、障害者採用及び採用について真剣に考え、障害について知っていれば、こんなことは言いません。
なぜならば、前回のメールのように、
「人は会社にとって大切な財産です。」
であれば、
「一生懸命に考えて、どんな人にお越しいただきたいのか。その人に会社のどんな役割を担って欲しいのか。」
考えるはずです。
であれば、障害者であれ健常者であれ、
「こんな人を採用したい!」
とオーダーいただくはずなのです。
障害者だけなぜこうなるのか?
それは、企業が障害について無知だからです。
「こんな人を採用したい!」と言いたくても、
・「障害者=できない」と思う固定観念
・障害についてどんな配慮をすればいいかわからない
・自分達の望む障害者なんて存在しないという思い込み
・障害で分類することはダメなんじゃないかという固定観念
など諸所の理由があるのです。
「こんな人を採用したい!」
だから
「Aという障害の人なら採用できる」
という風な考え方の転換が必要なのです。
しかし、企業は、
「Aという障害の人なら採用できる」
といえないのです。
それは、前述のように、そんな障害者はいない!とか企業は障害についてどんな配慮が必要か知らないし、そういう分類することはダメなんじゃないかという固定観念があるのです。
しかし、結局、それぞれの企業においては、ソフト面(障害者への考え方など)・ハード面(建物がバリアフリーなど)において採用できる障害内容が異なり、採用できる障害者が限られます。
現在のソフト面・ハード面を改良することができれば一番ベストではありますが、それが不可能なのであれば、採用できる条件で障害者採用を行っていくしかなく、その条件で障害者採用を進めていくことはなんら問題はありません。
なぜならば、採用できない障害者を集めても、結局、企業も障害者も労力だけ掛かって、お互いが不幸になるだけだからです。そんな採用方法ではいつまでたっても、本質的な障害者採用の実績を上げることはできません。
それでは、企業だけが悪いのか?実は、企業は被害者なのです。
ハローワークから雇用率の悪い会社は、障害者採用について指導が入り、企業名公表をちらつかされ、無知なまま障害者採用を行うようになります。
しかし、その指導するハローワークが有効な障害者採用の正しい手段、考え方を伝えられず、自身が有用な採用ツールを提供できないから、間違った形の障害者採用の考え方が企業に広がってしまっているのです。
実際に営業先で聞いた話では、
「福利厚生として、障害者を採用してください。」
と平気で言うハローワークの雇用指導官もいるのです。
それで、企業は雇用率を達成しないと、企業名公表などプレッシャーを掛けられます。
「早急に採用しなくてはいけない!」
「障害者ってよくわからない」
それが
「誰でもいい」採用になり、社内で活躍できない障害者を採用する。
そこのフェーズを超えた会社は、聞こえのよい、
「経験、障害に合わせてポジションを準備します」
という考えにつながっていきます。
(もちろん、これらの根底には、小さなころから障害を持つ人と接することのない教育環境にも問題があります。無知が無理解を呼ぶという悪循環に陥っているのです。)
確かに雇用促進法による障害者雇用の推進は、各企業の障害者採用の意識を格段に高めました。
しかし、現状の障害者採用は、本質的な障害者採用とは言えません。なぜならば、本来採用とは、「こんな人を採用したい!」という、会社で戦力となる人材を採用するというものであるからです。
それができて、採用したい人が集まってくる会社は、障害者採用においては、勝ち組になるはずです。それを目指すべきなのです。
しかし、確かに戦力となる優秀な障害者はめったにいません。
であれば、現状、どのように障害者採用を行うべきなのでしょうか。
Part.4に続く・・・

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