キヤノンマーケティングジャパン社の発表からみる人材ビジネスのゆくえ

キヤノンマーケティングジャパン社が、新卒の採用について、これまで慣例だった4月からの開始をやめ、学生の夏休み中である7月に採用選考を行うという発表をされました。

■採用スケジュールに関する重要なお知らせ
『訳あって今年の採用活動に出遅れます』
http://teiki.saiyo.jp/canon-mj2011/contents/dm_2/index.html

 ここから見えてくる今後の人材ビジネスに必要だと思われるコンセプトを書いていきたい。

 1つ目からお話します。私の信念には、「不要な人はいない」というものがあります。どんな人であっても、確度を変えれば、「できること」はある。

 障害があろうとなかろうと、その「できること」を活かしていき、働く意義、意味、素晴らしさを伝えていくことが、企業の役目であり、リーダー、上司の役目ではないでしょうか。

 これからの日本は、少子化からくる労働人口減、低資源で生きていかなくてはいけません。

 しかし、例えば、今回の文面にも出てきますが、「優秀な学生」ってなんでしょうか?何を軸に優秀、優秀じゃないを分けるのか。現在のこの優秀思想の結果、障害者は「優秀ではない」グループに入ってしまっていると言えるでしょう。

 ですから、「できることが多い=優秀」ではなく、誰しもが必要な人間であるという前提に立ち、あらゆる人が「できることを活かす」組織、会社が増えないと日本は外国に取って代わられます。

 ですから、人材ビジネスに必要なこと1つ目は、誰しもが必要な人間であるという前提に立ち、あらゆる人が「できることを活かす」組織、会社を増やすこと。

 また、2つ目の人材ビジネスコンセプトは、「リーダーを作りだす」ことだと考えています。

 グラミン銀行を作ったムハマド・ユヌス氏はこう言っています。

日本人はいつから仕事を、就職エージェントから貰うのが当たり前になったのか。本来、仕事は作るもので、作った仕事を分け与える人、すなわち、そんなリーダーが育つ土壌が大切。

 仕事は必要な人がいるから行う訳で、必要な人に必要なサービスを提供することで対価をいただきます。しかし、今の日本は、「仕事は他人からもらうもの」という受身の意識が強く、「必要なサービスを提供して、喜んでもらい、その結果として、お金をいただく」というビジネスの本当の意味での素晴らしい機会を作り出せていない。それが日本企業が元気がない理由の1つだと思うのです。

 組織に属していようが、何であろうが、必要な人がいれば必要なサービスを提供し、お金をもらう。そして、作った仕事を分ける。それを実現できるリーダーを作り出す土壌を作り出すからこそ、日本を元気にすることができるのではないだろうか。

 以上のように、誰しもが働ける組織を実現するための人事の仕組みを企業と共に作り上げること、そして、仕事を作り出すビジネスリーダーを創出すること。これらこそ、今後の人材ビジネスが与えられた役割なのではないかと思っています。

“キヤノンマーケティングジャパン社の発表からみる人材ビジネスのゆくえ” への3件の返信

  1. やべっちさん。
    はじめまして、こんにちは。
    私は明治大学4年、4月から某コンサル会社に勤務する者です。
    卒論で障害者雇用について取り組んでいる最中に、このサイトを見つけました。やべっちさんの意見に心が動かされました。
    私の将来の夢は、経営コンサルタントとして、障害のある方も当たり前に働ける社会をつくることです。
    もしよろしければ、一度会ってお話を伺いたいのですが・・・。
    お願いできないでしょうかm(_ _)m

  2. 連続のメールすみません。私、以前ゼネラルパートナーズに訪問し、倉本さんにお話を伺ったものです。名前は鈴木悠子と申します。
    卒論は書き終えてしまったのですが、今後の夢のために矢辺さんの話を聞けたらと思います・・・。

  3. はじめまして。矢辺です。
    こんなむさいブログにお越しいただき、ありがとうございます。
    しかも、同じ明治大学出身!笑
    会わないわけにはいかないですね。
    ということで、コメントいただいた際にご記入いただいた
    メールアドレス宛にメールをお送りします。
    そちらをご覧ください。
    よろしくお願いいたします。

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