企業の存続と後継者を育てるということ

 先日、実家から東京に戻るときに、親父に駅まで送ってもらった。その日は、土曜日だったけど、親父は会社に行っていなかった。で、親父の会社(うちの親父は社長で、55歳で起業した変な人なのです。)の前を車で通った。
 で、そのとき「みんな会社に出とるなぁ〜。(みんな会社に出社してるなぁ。)」とのんきなことをのたまっていたので、おれが、「会社に行かんでええだ?(会社にいかなくていいのか?)」と聞いた。
 そうすると、「会社は他の人に任せとる。(任せている。)」とのこと。おれの頭の中には一瞬「重役気取りか!?」という考えがよぎって、「社長が会社に出んで(出なくて)、面目はたもてぇだ?(保てるのか?)」と聞いた。親父は「わししかできんことはやるが、他は全部社員に任せとる。そっちの方が社員のやる気がでるし、そうじゃないと後継者が育たん。社長がおらんでもまわるのがよい会社だ。」とのこと。


 確かにその通りで、社長が全部できるからってしゃしゃり出て、何でもやってしまったら、社員は育たないし、やる気もでない。企業は、企業理念を実現しようと思ったら、人の人生よりも長く続くものだから、後継者を育てなければならない。ぼくがやろうとしている「障害者と呼ぶ人をなくす」という社会問題を解決したいのであれば、後継者を育てるということの必要性はなおさらだと思う。その点、親父の考えは素晴らしいと思うのです。
 なぜ、この話がピンっときて、企業の存続やら後継者の話を持ち出したかというと、ぼくには苦い思い出があるからなのです。ぼくは小学校1年から剣道をやっていたので、中学校も剣道をやろうと思っていたのだが、進学校だったので、部活なんてやるやつはごくわずかで、むしろ、「熱く生きることはかっこ悪い。」なんていう風潮だった。
 でも、剣道をやりたかったので、剣道部に入ったのだが、部はあるが、活動をしていない状態。先輩は剣道をせずに遊びほうけている。(笑)そこで、同級生で小学校の時からの知り合いの半魚(半魚人に似ているのです。笑)と一緒に剣道部を盛り上げた。確か、中学1年の終わりからぼくがキャプテンをしてたと思う。
 大会でも、入賞などを繰返し、おれの中学はスポーツに弱いというイメージを覆し、うちの中学には剣道が強い小学校からの入学も増えた。学校内での地位も上がって、最初は体育館を剣道部に貸してくれなかったけど、貸してくれるようになった。(笑)その時は、学校の顧問の先生は当てにならないし、正直おれが部活を動かしているという感覚を持っていた。
 その時は、半魚(笑)とも喧嘩したし、「熱く生きることはかっこ悪い。」じゃなくて「熱く生きることこそかっこいい。」ということを自分の身をもって教えていたと思うし、みんな理解してくれていた。だから、ぼくは「人間は必ず変わることができる。」と心底この経験から思っている。
 ただ、人間は変わることはできても、後継者にはなかなかなりえないと思っている。というのは、高校に入って(うちは中高一貫校)、自分が剣道で勝てなくなって、なぜか軟式野球部に入ることになりました。(確か、遊びでキャッチボールをしてたら、「試合に出ないか?」と誘われたのが、最初だと思うのですが・・・。笑)というか、無責任かと思うかもしれませんが、自分のやりたいことをやるのが自分のポリシーなのです。自分のやりたいことを一生懸命やることが、前にいた部への最大の恩返しだと思うのです。(ちなみに、軟式野球でもキャプテンで、全国3位のところに負けました。)
 で、ぼくが辞めた後の剣道部は外から見ていても確実に元気がなくなっていたし、顧問の先生もおれがいなくなったことをよいことに部員に対してや学校で、「剣道部は強いんです。」とでかい顔をしだした。「お前ら何もしてないのに、偉そうな態度してんじゃねーよ。そんなんじゃ絶対勝てなくなる。」と思っていたが、案の定剣道部は勝てなくなっていた。先生は基本的に何もやらないから、先生を差し置いても、やる!ってやつが必要なんです。先生が一番目立っていたってダメなんです。やるのは、生徒なんだから。
 そんなことを思っていたが、その時はもう剣道は辞めていたし、外野がとやかくいうことはないと思っていたし、口出しはできなかったけど、やっぱり剣道部で後継者を作っておけば、こんなにうちの学校の剣道部が弱くなることはなかったと思うし、それだけが今になって無責任だったと後悔している。
 何とか部活動は今も存続しているし、たまに入賞するやつがいるとのことなので、まぁよかったなぁと思うけど、何だか自分で言うのもなんだが、自分みたいな先生を差し置いても、自分がやる!っていうハチャメチャなやつがいないと先生は何もやらないから、部としては強くならないという感覚を当時から持っている。
 その経験から、そんな後継者を育てるということの難しさは十分感じているし、必須なことであると思っている。自分が事業をやる際にはこの悔しさを繰り返さないためにも十分気をつけたいと思っている。自分を越える部下を育てることが、結局は自分を楽にすることだと思う。
 親父もそんなことを言っていたが、やっぱり会社にもう少し行ったほうがいいと思うのは、おれだけか。(笑)
 あっそうそう、半魚はそのまま剣道部を続けていたけど、半魚は悪くない。性格上、彼は前にどんどん出るタイプではなく、参謀タイプだから。ぐいぐい引っ張る人がいて光るタイプ。気が少し弱いし、先生のことをハイハイ聞くやさしいやつだからね。うん、なんか半魚の話をしてたら、久々に会いたくなったな。たまには、遊んでやるか。(笑)

“企業の存続と後継者を育てるということ” への4件の返信

  1.  元気かな?遊んであげてーw
    後継者ねぇ、うちのお父さんもよくそんな事言ってるなぁ。。
    やべんならできそうなきがするけど。
    しっかり部活とかでいろんなこと学んでるよね。尊敬しちゃうよ。。。

  2. > やべん
    新しいあだ名命名かと思いますた。
    > 「半漁」ではなくて、「半魚」なのでは??
    こっぱずかしい。。。
    修正しますたwww

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